【理論で音ゲー】⑦全曲埋めは本当に成長に結びつくのか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
beatmaniaIIDX

音ゲーが上手くなりたい。だけど上手くいかない、練習方法がわからない、行き詰まっている…せめて「理論的には」上手くなりたい。

音ゲーの上達に役立つ情報、音ゲーのコツを理論から攻めるプチ連載企画。第7回は「全曲埋めは本当に成長に結びつくのか?」。

「全曲埋めろ」は単なる投げやりか?

全曲埋めは非効率?

音ゲーが上手くなりたいという人に向けられるアドバイスとして、ネタを抜きにすれば最も多く挙げられるものの1つが「いいから黙って全曲やれ」だ。
「全曲」の部分は色々なバリエーションがある。多いのは「レベル××の全曲」だろうか。他には譜面種別ごと(MASTER、ANOTHER、EXPERTなど)の全曲というケースもたまに聞く。

しかしながら全曲をこなすというのはかなりの労力を要する。筆者の身近な例を挙げれば、crossbeats REV.でMASTER譜面(上から2番目の譜面)を全部やれと言われても200譜面くらいあるし、beatmaniaIIDXでDPのレベル11(これまた上から2番目のレベル)を全部とか言ったら350譜面近くもある。
とてもじゃないが「よし!やろう!→できた!」で済ませられる量ではないのが普通だ。(長いことやっていればいずれ達成できるが…)

というわけで、全曲埋めろとアドバイスを受けて「いや全曲とかやってらんないしもっと効率的な方法あるだろ教えろよ」と感じる人がいても、全くおかしくはないのである。いやむしろ彼らはいい勘している

以下に詳細を綴ろう。

全曲埋めは効果があるが、短期的な目標には不向き

誤解を招かないよう予め述べておくと、多種多様な譜面に触れることは非常に重要だ。そして、全ての収録曲を(一定の基準以上で)クリアすることは音ゲーマーとしての究極的な目標と言えるだろう。

しかし、対象を絞った場合も含めて「全曲埋め」はあくまでも長期的な目標として捉えるべきだ。達成までの道のりがあまりに長く、場合によっては困難を伴う全曲埋めは短期的な目標には向いていないのである。(連載第1回で述べた通りだ)

仮に苦痛に耐え抜き全曲埋めをこなして音ゲーが上達したとしても、その効率は非常に悪いものになるというのがオチだ。

全曲埋めではなく「そこそこ埋め」をしろ!

「そこそこ埋め」ならいつでも手軽にできる

確かに全曲埋めは効果がある。様々な形、様々なリズムパターンの譜面をこなすことは、確実に音ゲー上達に効果がある。
しかし、先で述べた通り全曲埋めに要する労力は多大なためなかなか気軽にできるものではない。そこでオススメしたいのが「そこそこ埋め」だ。

そこそこ埋めと名付けてはいるが、基本的にやっていることは全曲埋めと変わらない。触れていない、クリアしていない曲にどんどん手をつけていくだけである。
全曲埋めと違うのは以下の2点だ。

  • 新しい譜面に手をつけることを最大の目的とするため、クリアできなくても良い
  • 決まったカテゴリの全ての曲に触れるのではなく、自分のペースでやりたい時に好きなだけ触れる

要するに「全曲なんて言わずに気楽に埋めればいいじゃん」というスタンスだ。

目標が具体的でない、曖昧だという点で連載1回目で語った目標の立て方に反するのではないかと思われるかもしれないが、そこそこ埋めはそれ自体が目標ではない。あくまでも、目標を達成するための手段だ。

では、そこそこ埋めは目標達成の手段としてどのような効果があるのだろうか。

効果その1:多彩な譜面バリエーションに対応できるようになる

こちらは全曲埋めとまったく同じ効果であり、ここまでで既に言及してきたものだ。

よく「好きな曲ばっかりやっても上手くならない」という意見を聞くが、これは全くもってその通りだ。
極端な例を挙げれば、ポップンで言えば「ぶきように恋してる」だけやっててもレベル50の譜面はクリアできないし、太鼓の達人で言えば「スポーツダイジェスドン」だけやってても達人段位は取れないのである。(どちらも筆者が好きな曲だ)

多くの譜面に触れれば触れるほど、様々な譜面の配置・リズムに対応できるようになる。そしてこれらの経験がステップアップの際に大きな力を発揮するのだ。
ちょっと前のネタで言うなら「ここ、進研ゼミでやったとこだ!」と唸ることができるわけである。

効果その2:停滞期(スランプ)をうまくやり過ごせる

そこそこ埋めの効果は、停滞期に最大限発揮する。

つい最近Twitterで「全ての音ゲーマーに見て欲しい」と話題になったが、物事の成長は必ず一定の停滞期を伴う。図にするとこんなイメージだ。

成長の仕方を示したグラフ

成長には必ず停滞期を伴う

では、そこそこ埋めはなぜ停滞期に威力を発揮するのか。図で説明した方が早いので、以下のイメージを見て欲しい。

停滞期の過ごし方を表す図

停滞期は何をやっても現状より上手くなることはない。だったらその間に「今できる範囲でいろんな譜面に触ってしまえ」と言う理論だ。

停滞期にもかかわらず高みを目指そうとしても、なかなか現状を打破できない自分に対してストレスを感じるだけだ。そして過去に何度も語ったように、ストレスは音ゲー上達の妨げとなる。
さらに停滞期の場合はストレスが原因で「停滞期がどんどん伸びてしまう」という影響が出る可能性が高い。

自分が停滞期にいるなと感じたら、その時点で一旦先を見るのは中断するべきだ。そして今の自分のレベルでできる、触れたことのない譜面をたくさんこなすのが良い。
その結果、まず無駄なストレスを感じることを回避することができる。そして、停滞期でありながら経験を増やすことで今後の上達に役立てることができるのだ。

「そこそこ埋め」で触れる難易度はどのくらいが良い?

基本的には、今の実力と同じくらいの難易度の譜面に触れれば良い。あまり簡単すぎても、得るものは非常に少ないからだ。

ただ、ずっと今の実力と同じ難易度ばかりやっているのも考えものだ。確かにストレスは回避できるが、現状から一歩先に進むことを考えればたまにはちょっと難しい譜面にも触れるべきだ。
また、停滞期においてブレークスルーを起こすきっかけとしても高難度の譜面のプレーは必要だ。

本(特に参考書)の読み方では「知らないことが3割くらい書かれている本を読むのがちょうどいい」と言われる。これを踏まえれば、今の実力と同レベルの譜面:少しハイレベルな譜面=7:3くらいの割合で取り組むのが理想と考えられる。

「何だか今の練習って非効率的だなあ」「一度スランプに入るとなかなか抜け出せないんだよなあ」と悩んでいる人は、ぜひ日常にそこそこ埋めを取り入れてみてはどうだろうか。

 

このシリーズの記事

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。