
音ゲーが上手くなりたい。だけど上手くいかない、練習方法がわからない、行き詰まっている…せめて「理論的には」上手くなりたい。
音ゲーの上達に役立つ情報、音ゲーのコツを理論から攻めるプチ連載企画。第8回は「音ゲーが上手い人は手抜きが上手い」。
音ゲーが上手い人は手を抜いている?
「手抜き」と言ったら各方面からお叱りの言葉が飛んでくるかもしれない。ただ、音ゲーが上手い人は確かに手抜きをしている。
手抜きしてないけど音ゲー上手いよ、という人は手抜きをしたらもっと上手くなるはずだ。
少し言葉を変えよう。
音ゲーの順番待ちで、あるいは音ゲーの全国大会で、自分より遥かに上手い人のプレーを見てこのようなことを思ったことはないだろうか。
- あの人、動きに無駄がないなあ
- あの人、運指が綺麗だなあ
- あの人、変な捌き方してるけどあんな取り方でも繋がるんだなあ
これらがまさに「手抜き」そのものである。
音ゲーが上手い人は、動きに無駄がない。運指が綺麗だ。そして、システムの隙をついて譜面の楽な捌き方を追求している。これらをまとめて、筆者は「手抜き」と呼んでいる。
なぜ手抜きが必要なのか
音ゲーで成果を出したいのなら、自分が発揮できる最大限のパフォーマンスで挑む必要がある。その一方で「手抜きが必要」という話をするのは変に聞こえるかもしれない。
手抜きの最大の目的は、「余計な労力を費やすことで本来発揮できるパフォーマンスを出せない」という事態を防ぐことだ。いらないことに力を入れず、音ゲーのプレーに全力を注ごうということである。
普段音ゲーをプレーしている中で、譜面は理解できているのだが「体力が持たなかった」「物理的に手・足の動きが追いつかない」という場面は多くの人が遭遇することだろう。
その原因は単純に体力不足・運動能力不足であることもあるが、大抵の場合はうまく手抜きをすれば解決することができるのだ。
手を抜く努力をする
「手を抜く努力」とはなんとも不思議な言葉だが、その重要性はここまでの話で理解できたはずだ。
では、具体的にどのようなことに力を入れ、もとい力を抜けばいいのだろうか? 取り組むべき点は大きく2つだ。
動作を最小化・最適化する
当たり前のことではあるが、重要なポイントだ。オーバーな動作は余計に体力を消耗するし、譜面の配置によってはどうやっても体が追いつかなくなるケースも出てくる。
では具体的にどのような対策を取れば良いのかというと、以下の2つに要約される。
- 動作をできる限り小さくする
- 負担を分散する
1つ目は言葉通りの内容だ。必要以上の動作を省けば、おのずと消費する体力は削減される。
では2つ目の「負担の分散」とはどういうことだろうか。例として、両手の指を使ってプレーする機種(jubeat、シンクロニカ、crossbeatsなど)を考えよう。
システム上は手のどの指を使っても良いはずだが、よく「ごく限られた指(場合によっては1本)しか使わずにプレーする」という音ゲーマーを見かける。俗に言う「北斗打ち」で譜面を捌くプレーヤーだ。
このプレー方法では使用する少数の指に過度な負担がかかるため、音ゲーのプレー時に余計な力を要してしまう。また、少ない指で広いプレーエリアの全てをカバーしなければならないため、動作も大きくなりがちだ。
そこで必要となるのが「負担の分散」だ。
上記の例なら、できる限り多くの指を使って譜面を捌くようにすれば、一部の指に過度な負担がかかることが無くなるはずだ。また、譜面が出現する箇所に合わせて適切な指を選んで譜面を捌くことで、手の余計な移動も少なくなる。
他にも「譜面がプレーエリアの右or左に偏って出現する箇所を、片手ではなく両手で捌く」「薬指・小指などの弱い指が担当する箇所を、適宜別の指でフォローする」など、応用例は多い。
譜面の捌き方のバリエーションが豊富であればあるほど、より少ない労力で成果を上げることができるようになる。
音ゲーの仕様を隅々まで理解する
音ゲーの仕様を知れば知るほど、動作の最小化・最適化はより加速する。
音ゲーの機種によっては、通常指定されている演奏方法より大雑把な操作をしても完璧な判定を取得できるケースがある。よくあるのは「長押しは一瞬離していてもOK」というものだ。他に思いつくのは「デレステの連続フリックは2本指でやっても良い」といったところか。iPadでプレーするときに重宝する。
筆者は全ての音ゲーを満遍なく触れているわけではないので多くは紹介できないが、実際には「こんな風にプレーしてもOKなんだよ」という音ゲーの仕様は数多く存在するはずだ。チュウニズムのAIR、maimaiのスライドなどなど。
これらの仕様を完璧に把握することで、音ゲーのプレー時に必要とする労力をより一層削減することができるのだ。
困難に挑み続ける努力は音ゲーの上達には必要不可欠だ。しかし、ここに手を抜く努力を加えることで音ゲーの上達はより一層確かなものになるはずだ。
このシリーズの記事
- 【理論で音ゲー】①目標設定のススメ
- 【理論で音ゲー】②ライバルは必要か?
- 【理論で音ゲー】③非公式の難易度表を活用しよう
- 【理論で音ゲー】④昼飯代を音ゲーにあてるな!
- 【理論で音ゲー】⑤無意識にストレスを溜めていないか?
- 【理論で音ゲー】⑥『魔剤』は音ゲーに効くのか?
- 【理論で音ゲー】⑦全曲埋めは本当に成長に結びつくのか?
- 【理論で音ゲー】⑧音ゲーが上手い人は手抜きが上手い
- 【理論で音ゲー】⑨「特攻すれば上達する」の重大な間違い
- 【理論で音ゲー】⑩音ゲー歴は嘘をつく